かないの塒

日々の生活のなかで、気づいたこと、感じたことなどを書いていこうと思います。

「抽象と具体」をセットで考える・・・

 「具体と抽象」(細谷功)を読み終わりました。仲間から紹介された本で、いつか読もうと思っていて、ようやく・・・と言った感じです。しかし、面白かった!!

 

 何となくですが、話す内容は「わかりやすいこと」はよいこと。具体的であることを求められます。つまり、抽象的だと「わかりづらい」ということだと言われてきました。

ところが、この本は、その点に疑問を投げかけています。それは、「わかりやすさ」が求められるのは、社会や組織が成熟期に入ってからが顕著であり、そして、いずれ衰退期になっていく。そこに備えるために必要な能力が、「抽象概念を扱う」ということ・・・・と書かれていました。それ自体が、抽象的であるかなぁと思いながら読み進めましたが、「なるほど」と思う内容が書かれていました。

 

議論がかみ合わないのは、「具体と抽象」の視点、つまり「目に見えるものと見えないもの」つまり、「抽象度のレベルが異なる状態」で話をしているということ。また、二項対立を抽象レベルでとらえると、考える視点が出てくる。具体レベルで見ると、二者択一にみえる。だから、話が通じないとうこと。そして、「具体と抽象」は、相対的な関係性を示す概念であり、階層的になっている。手段と目的の関係も全て相対的なものであるから、これも話がかみ合わない時もある。

 

 「哲学」を持っている人がいると、組織には無駄がなくなる。個別事象に一つ一つ対応するのではなく、すべて抽象度の高い判断基準に合わせて処理するのでブレがすくなくなるから・・・・。

 

つまり、「具体」と「抽象」どちらかが優位というのではなく、抽象と具体をセットで考えるということ。その行き来をすることが大切なんですね・・・・。

 

そんなことを読み取りました。まぁ、数学という学問を、具体レベルで数学をとらえれば、「直接何の役にも立たないのように見えますが、抽象レベルで見れば数学の「考え方」はどんな職業の人にも役に立つ・・・。これも納得です。 

 

 おすすめの本です。