川上康則さんの「教室マルトリートメント」を読みました。この本は、もとはフェイスブックでつながった先生が紹介をしていたのがきっかっけです。(動画も紹介してもらいました。
「教室マルトリートメント」とは、教室で繰り広げられる不適切な関り、本来は避けなければならない指導の全てとしたうえで、その問題の背景を分析するとともに、根絶にむけて、どうすれば教師と子どもたちの適切な信頼関係が構築できるのかについて書かれていました。そして、教室を「温かくやわらかな風」で包める教師と増やすことが、この本の意図です。
私は、教員生活を20年以上やっていますが、 自分の過去のクラスを思い出すと、「まさに・・・」という内容ばかりです。「自分の都合」「自分の基準」「自分の想定」・・・根拠「俺」の指導、「成功モデル」を押し付けている・・・。そんな自信を持ってよかれと思ってやってきた指導が、実はそれが自分の学級経営をおかしくしていたということを、論理的に、脳科学的な視点からも記載されているののです。
10年後20年後30年後の子どもたちの幸せを願って育てるつもりが、逆にトラウマになってしまうことがある・・・。教え子に対しての申し訳ないとい思いを持つほどでした。
ただ現在は、それに比べてちょっとは「まし」になったかなという部分もありました。「子どもを変えようとするのではなく、自分を柔軟に変える」という一文は、「他人は変えられない」という自分の考えと一致していたので、今の自分の指導の方向はずれていなと確認できました。
他にも「言葉を選ぶ」「リフレーミングをする」「安心して「分からない」が言える教室をつくる」「毒語を使わない」「職員室の良質なコミュニケーションを増やす」「自ら学ぶことを継続する」など、自分が行っていることが言語化されているので、自分の指導が体系化につながります。
この本を読むことで、自分の指導観や「あり方」を見つめなおすきかっけにもなりました。
読み終わった後、この内容は学校という狭い組織だけではなく、社会全体でも同じことが当てはまるような気がしました。たくさんの人が「マルトリートメント」のことを「知る」だけでも、救われる子どもや大人が増えるのではと思いました。普遍的な内容だと思いました。
段々と読む本がつながってきているような気がします・・・。
※ abema.tv