本校では、中学1年生を対象に「立志式」という行事が、3月に行われます。まあ、舞台に上がって自分の「志」というものを１0～15秒の短い言葉で、保護者、6年生の前で宣言をしてもらうのです。
その行事の事前学習の中で、自分の「志」を考えるときに、授業の導入で「生き方」について、私が、中学1年生全体に話をすることになりました。なかなか広い内容でしたが、オンラインゼミ（https://bit.ly/3lMsgHn） で学んだことをアウトプットする良い機会だと思って、話す内容を考えました。以下が話した内容です。
本日の学習をする前に、「生き方」について、私なり考えを皆さんに伝えようと思います。
「生き方」ということなんですが、だいたい未来のことなんて誰も分かりませんね。だから、「こんな方法をすれば大丈夫、間違いない」といった、そんな方法なんて、ありません。でも、未来を予想することはできないけれど、一つ確実に言えることは、自分の人生は、自分が主人公であるということです。
主人公なわけだから、自分でいろんなことを選択、決断していくわけなんですね。みなさんは今、中学1年生だから、あまり意識がないと思います。でも、あと1年後あたり、つまり、「進路」を考える時に直面するんじゃないかな。その後は、大学に進学か・専門学校なのか、就職するのか、また、就職するのか・起業するのか、さらに、東京に就職するのか地方にいくのか、もっと先になると、家を買うのか、買わないのか、結婚するのかしないのか・・・・、そうやって決断をして、自分の人生を生きるわけですよ。
でもね、「自分のことを決める」というのは結構簡単じゃないんですよ。だから、いろんな人の意見を聞くことになるんです。そうやって、人の意見を参考にしながら決めるというのもありですね。ところが、聞いちゃったからもっと悩むことがあるんです。それで、めんどくさいから他人の意見に流されることに慣れてしまって、いつのまにか自分のことを誰かに決めてもらわないと進めない人生になってしまうことがあります。それはちょっと寂しい。やはり、みんなには、自分のことは自分できめられる人になってもらいたいです。
では、「どうやって決めたらいいのか？」ということなんですが、分かりますか？
私が思うのは、「あなたは、どんなことをやりたいのですか。」、つまり、「あなたは、どんなことに大切にしているんですか。」という問いに答えられればいいんです。
それは、人によって、また、時代によって変わってくるかなと思います。例えば、勉強ができること、高校に行くこと、大学に行くこと、好きなことをすること、好きな人と過ごすこと、お金があること・・・。そのときそのときで変わってくる。そして、誰と出会うかでもっと変わってくるんです。それでいいと思います。
ただね、何もしなければ、周りに流されてしまって、「みんながやるから」のようになってしまうのです。「みんなが高校いくから」「みんなが大学行くから」「みんなが就職するから」・・・・。そうなると、当たり前だけど、いつの間にか気づいたら、自分が主人公ではなくなってしまう。だから、考え続けなければならないんです。
私の人生を振り返っても、だいたい、思うように人生はいっていません。今なんて、自分の中学時代に想像した人生とは全く異なっています。でもね、それがダメかというとそうではない。むしろ、今までの私の人生に、満足しいるし、きっとこれからも満足していくと思っています。それは、自分のことは自分で決められるようになってきたからです。
例えば、私は教員採用試験は5回受けています。5回目に受かったんです。「えぇっ、5回も受けているの？大変だったんじゃないですか？」と思うかもしれません。流石に、親も周りの友達も、3回目でダメだった時は、他の職種をすすめられました。でも、その時は、「公立の学校で数学の楽しさを伝えたい」という思いがあったので、がんばれたわけなんですね。ちなみに、今は違いますが・・・。
ストレートに合格した人と比べると、5年も差があります。でも、別に後悔はしていません。それは、自分で決めたからだと思います。それに、今こうやって、みんなの前で数学を教えることができているし、ちょっと人より遠回りしたおかげで、人間の幅はひろくなったかなぁとも思っています。
そんなわけで、「自分自身の人生の生き方」は、自分で決めたほうがいい。で、決めるためには、自分で悩んで、考え続けてくことが、必要ということなんですね。そして、年齢を重ねるごとにいろんな経験をして、多様で多数の人と対話し続けることで、「自分がどんなことに価値をおくのか」のかが、明確になってくるんじゃないかなと思います。
以上で、これが私の「生き方」についての考えです。たった一度の人生ですから、是非自分の人生を生きてくださいね。
ちなみに、私が大切にしていることは、「家族仲良く健康で」です。今のところ私は健康だし、家族は仲がいいです。妻は怖いけど・・・・。
以上で終わりです。話を聞いてくれて、ありがとうございました。
話し終わった後、ちょっと間があって、生徒からたくさんの拍手をもらいました。あまり生徒の前で自分の過去を話すことはなかったのですが、伝わった生徒には伝わったかなと勝手に思いました。また、話をしていて、オンラインゼミの中でやり取りした内容ばかりですが、段々と借り物の言葉が腑に落ちて、自然と自分の言葉になってきているかなぁと感じた時間でした。
しかし、改めてこうやって、集客をしないで、私の話をだまって聞いてくれる、反応してくれる生徒がいるという環境も、学校特有ですね。
