かないの塒

日々の生活のなかで、気づいたこと、感じたことなどを書いていこうと思います。

「得」であることがわかれば、自分から実践をする・・・。

   中学3年生の授業のことです。『学び合い』をやってそれぞれが活動しているとき、集団のなかで、他の生徒に質問をしている生徒が目に留まりました。その生徒は以前、質問をすることができなかった生徒なのです。

 1学期の最初頃です。授業中に私の前あたりでうろうろしているのです。しばらく様子を見てたですが、どう考えても私を見ているもんだから、「どうしたの?」と質問しました。そしたら、「わからない問題があるんです。」と、言うので「じゃあ、質問を仲間にしたらいいね。」と言い返すと、「僕は質問ができないんです。」とのこと。どうしてなのかなと思って、その生徒に聞いてみました。

 中学2年くらいの時に、塾でわからない問題があったので、先生に質問をしたそうです。そしたら塾の先生から、「今さっきの説明を聞いていたらわかるはず。何を聞いていたんだ。」と言われたようです。そんなことがあったので、質問をするのができなくなった、また、するものではない、となってしまったようです。数学ができない子ではない、どちらかというと得意な生徒でしたので、私はほとんど全部理解しているものだ、と思っていました。でも、そんなことないんですね。だから、「そうなんだ。そんなこことあったんだね。気がつかなくて申し訳ない。じゃあ、今から質問してみようか。とりあえず、私から。」と言って、彼から質問を聞き出しました。そしたら、「わかりました。スッキリしました。」と言って、徐々に質問を周りににもできるようになってきたのです。

 まぁ、数学ができる子ですので、質問する機会は少ないです。でも、進学したあとも、その後の人生でも人に頼る能力は必要だということも話をしたので、彼はそうすることが「得」であることがわかって実践したんだのですね。これは一斉授業をやっていたらわからなかったことです。

 

 まぁ、数学ができる子ですので、質問する機会は少ないです。でも、進学したあとも、その後の人生でも人に頼る能力は必要だということも話をしたので、彼はそうすることが「得」であることがわかって実践したんだのですね。これは一斉授業をやっていたらわからなかったことです。

 分かる生徒はわかるんですね。そんなことを思いながら、あたたかい目で彼の姿を見ていました。